ふ‐たいてん【不退転】1 信念を持ち、何事にも屈しないこと。「―の決意」


純夏のもう逃げないという覚悟と、その一方で彼女(と女性同性愛者)に対する悪意が存在すること。
はっきりとその二点を示した話。
次が非常に気になるが、きっと今の純夏と汐なら大丈夫だと信じたい。
前半はほんわかとした進行で、前回の話の整理をしつつ、純夏と汐の二人の想いの強さと絆の強さを見せてくれる。
純夏も汐も素直に感情を出していて、見ているととても微笑ましくてうれしくなる。
なにしろ汐は料理中なのに待ちきれなくて、料理中の材料を置いてエプロンを手に持ったまま純夏を迎えにいくのだ。
少し前だったら考えられない行動である。
ベンチに二人で座ってクレープを食べているシーンはとてもいい。
言葉もいらないぐらい二人の気持ちが通じ合っていることがよく伝わってくる。

翌朝の純夏の表情、とくに眼が良い。
自然体で、揺るぎない決意が現れた眼だ。
まあ、若干テンション上がって声のトーンも上がっているけど。

そんな感じで主役二人の方は今後崩れることはないだろうという確信が持てるのだが、生徒会選挙をきっかけにして大きくなってきたある問題が気がかりである。
同性愛者への偏見、悪意。
正直、この漫画が醸し出しているほのぼのとした雰囲気にはそぐわないテーマではあるのだが、現実として存在する以上、そこは避けて通れない。
いよいよそこに踏み込んだ以上、読者の私は純夏と一緒に不退転の決意で立ち向かうのみである。
その逃げない姿勢を評価する一方で読むのはとてもとても心が痛いね。

まゆが一般人(あえてそう呼ぶ。他に上手い言葉を思いつかない)に暴力を振るってしまったのは状況から見て純夏や汐に対する嘲笑、悪意を持ったささやきに対してだろう。
こそこそと陰口を叩くような人間こそ最低であり責められるべきだが、手を出したのはなぁ…客観的に見た場合、正当性を主張しにくくなる。
生徒会選挙立候補や女子部存続そのものが危うくなる行為である。
投票日というタイミングも悪い。
女子空手部主将という立場の純夏の指導力に疑問が持たれる→生徒会会長としての資格・適性に疑問符、という流れになることは必至だから。

どう落としどころを見つけるのだろう…。
純夏が逃げないとついに決意を固めたことと、その周りには以前と違って汐だけでなく多くの仲間がいることは心強い。
仲間が朋絵やみやこのように同性愛者だけではなく、むしろそうでない方が多いのだし。
もうここまできちゃったら最終演説・応援演説で一切合切ぶちかまして欲しいぐらい。
というか、いっそそれぐらいしないとこの状況は打開しにくいのではという気もする。
あくまでも「ささめきこと」らしく、純夏らしく、自然体に正々堂々と自分と自分たちの存在を主張してほしい、と思う。
一般人と異性愛を否定して対決することではなく。
ただ、同性を愛すること、同性愛者はなんらおかしなことではなく、自然なことだと。
どちらが上とか下とかいうことではなく対等なものなのだ。
もちろん、侮辱されたこと、嘲笑されたことに対しては怒るべきだけど。
一般的に見て生理的な嫌悪感や拒否感があるのは当然で現実で、それがあることを否定していては真の解決にはならない。
それらの悪意や拒否感があることを認めた上で解決に向かって闘って、純夏たちが認められる形に収束してほしいとそう願う。
管理人のみが読めるようにする

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