まだ私も情報・知識が不完全でありますが、少し意見を書いてみます。

現状でも規制はなされていて、18歳未満の実在の青少年が性的被害を被らないように、彼らが性的に扱われる作品は不健全であると指定されて出版されません。
しかし、今回の改正ではさらに”フィクションの中で存在している18歳未満のキャラクター”(「非実在青少年」と呼称)に対しても規制しようとしています。
問題点をいくつか挙げます。
① 条例が元としているポルノ禁止法で既にその定義が曖昧
「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」(同法2条3項3号)という基準は曖昧で、主観的な判断で判定がぶれる可能性があります。
国会でも疑問が指摘されており、見直しを含めて論議を待つべきでしょう。

② 実在しないキャラクターに関しての規制は問題がある
条例は実在する18歳未満の青少年に対する性的被害を防ぐことが目的ですが、そのためにフィクション内の18歳未満のキャラクターに関して規制をすることは筋違いです。
実在しないキャラクターは字のごとく存在しません。
保護の対象にはなりません。
さらに、実在しないキャラクターが性的なことをしている作品を青少年が見ると健全な成長を阻害するからという理由でその作品を規制して出版・発売できなくする、という意図もあるようです。
しかし、それを公的権力が判断して規制していいのか。
・性的なことに関わらずフィクションでの表現の内容に関しては自由であるべきです。
・作品が不健全であるかは権力側が上から決めることではありません。
表現・描写そのものは自由にできることが前提。
その上でその作品を目にするかどうかの判断は国民側がすることです。
もっと平たく言えば青少年の親が判断すべきこと。

③ 販売規制は現行条例の範囲内で行うべき
現状でも、18歳未満の青少年が見られないように販売規制はなされています。
本屋でもDVDレンタルでも。
もっとも、それが部分的に不十分である可能性はありますので、問題点を洗い出して改善していく必要はあります。
あくまでも販売での規制の範囲において。
作品の出版などそれ自体を規制することはあってはならない。

④ 条例決議への過程が異常に短い
2/24に議案が提出され、実質的な決定となる審議の日が3/18。
しかもほとんど新聞・TVなどで報道されていない。
私もtwitterで数日前に知ったぐらいです。
全国への影響は大きいと思われるのに、国民のほとんどが気づかないまま決定されようとしていたことに非常に薄ら寒いものを感じます。
幸いtwitterやmixiなどからのつながりでネットには急激に情報が行き渡り、反対のメールや手紙を都議会議員や政党に送った方がかなりいらっしゃったようです。
(私も時間や精神的に余裕がない中で反対派である民主党本部のメールフォームから意見を送ってみました)
それでもたぶんまだまだ知られていないでしょう。
ネット人口は多いとはいえ、今はPCよりも携帯の方がむしろ多いぐらいじゃなかろうか。
携帯メインの人にも情報が回っているか心もとないです。
現在、審議をいったん先送りにする流れになっているようですが、まだ審議延長決定してませんし、廃案でもありません。
これからも反対運動を一人一人が少しずつでもしていくことが必要だと思います。

追記。
特に気になったのが②かな。
エロいものを全く見せないようにしようというのがね。
というか、青少年ってのは何もエロに限らず品行方正なものばかり見たいわけじゃないだろうと思います。
いろんなものを実際に見てその上で善悪の判断、好き嫌いが出来てくるわけですから。
”健全と思われるもの”ばかり見ていても判断力はつきませんよ。
清く美しいものばかり見ていたら健全に育つのか、と言ったら違うと思います。
全く接触を絶つのではなく、いろんな作品との付き合い方・判断力を身につける訓練をすべきなんです。
もちろん青少年の目に触れさせるものが無制限というわけにも行きませんから、そこは親が判断して段階的に与えていけばいい。
公的権力にその判断をさせるのは危険なことです。
そこに権力側の悪意と独善が入り込む危険性がないと言い切れますか。
現実の世の中には良いもの悪いもの、美しいもの醜いもの、いろんなものがあります。
そしてそれらを表現するものもいろいろです。
その表現に制限があってはならない。

どうも規制派の方々の意見を見ていると、フィクションであってもエロが存在すること自体アウトと思っている節があるように見受けられます。
存在自体を許せないんじゃないかと。
でもそれはあくまでも個人の好き嫌い・意見です。
たとえ現実世界では犯罪になるような描写の作品であっても。
”絶対的な善”ではありません。
それを条例にまで反映させては行き過ぎでしょう。

追記2
それと、今回twitterで私がこの問題を知ったように、ネットのメリット・良い面が出た事例だと思います。
もしかしたらこの条例の報道は意図してTV・新聞のマスコミには表立って流されてなかったかもしれないんですが(実際そう疑っています)、それでもこうして問題を知った方からネットを通してつながっていって多くの人が知ることができた。
この意味は大きい。
ようやく知名度が上がってきたtwitterの持ち味も遺憾なく発揮されたのではないでしょうか。
・リアルタイムで情報・意見が流れる
・フォロー・RTによって情報・意見が拡散していく
実際に体感してみてそう強く思います。
そうそう、この件についてのハッシュタグは#hijitsuzaiです。

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<参考>随時追加していきます。
日本図書館協会による「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」について(要請)
 改正案の問題点を的確に指摘しています。
【表現規制反対!】東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案【問題多すぎ!】ver 3(シンプル・イズ・ベスト版)
 反対に動いておられる山口貴士弁護士による問題点のまとめ。
東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
「非実在青少年」規制問題・対策まとめ
欄外覚え書 ■東京都が何か冗談みたいな条例改正案出してる
空気を読まない中杜カズサ 東京都青少年育成条例改正案における表現規制の危険性について語る
山本弘のSF秘密基地BLOG 「非実在青少年」規制:反対集会に行ってきた
StudioKenKen別館:猫時間通信@Blog 東京都の青少年健全育成条例、改案のあぶなさ(2)
人と技術と情報の界面を探る 緊急!東京都が児童ポルノ規制の美名の下、思想統制への道を開こうとしている
G.A.W. 世界中に存在する「あなた」たちへ
 ”健全”に育てようとして”人間らしさ”を失うことへの警告。
GIGAZINE 「非実在青少年」問題とは何なのか、そしてどこがどのように問題なのか?まとめ
 3/18までのまとめ。ここまでの動きをわかりやすくまとめています。
ヘボログ 非実在青少年関係 「青少年育成条例改正? ふーん、いいんじゃない?」 と言う人へ
 問題点が何か。表現の自由が大事なこと。改正案が脅かそうとしているもの。
ポンコツ家族の取扱いマニュアル 母親の皆さんに 児童ポルノ法&東京都青少年健全育成条例改正問題について
女性・母親の立場からの非常に説得力のある記事。

<参考2>規制派の考え方がわかる記事
社団法人 東京都小学校PTA協議会 青少年健全育成条例改正案の成立に関する緊急要望書を提出
 子供に醜いものを全く見せないでおけば健全に育てることが出来るという偏った正義感。
管理人のみが読めるようにする

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