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ヴィクトリアン・ローズ・テーラー あなたに眠る花の香(青木祐子、集英社コバルト文庫)
初の短編集、の8巻目。
コバルト本誌に掲載された短編4本と描き下ろしが1本。
短編な分、話にメリハリがきいていて色鮮やか、という印象。
いつもの長編も、じっくりと話をつむいでいく感じ、焦らされる感じがそれはそれとして好きなのですが。
いずれにしろ、ますますこの物語が好きになれる1冊。

では順に。
○ 恋のドレスとプリンセスリボン
一言で「リルはいい子だ」で片付けられそうでもあるお話(ぉ
まだこのシリーズ始まったばかりの頃であるせいか、なんとなく全体に初々しいです。
あきさんの絵にしても、キャラクターの雰囲気や人間関係にしても。
作者もあとがきで書かれているように、この話に限らずいろいろと(どこにポイントを置くのか)悩みながら書いているのでしょう。

○ 黄色い花の法則(ルール)
個人的にはこれが一番好きかな。
分かりやすいのが好きなんですよ(笑)。
私なんぞでも容易にオチは読めるのに、この読後感の良さといったらどうですか。
すばらしい。
行き違ってしまっていたけれど、ようやくお互いの想いを知ることのできた二人がもう幸せすぎます。
ラストシーンの会話、テンポが良くて、かつちょっとずつひねりのあるセリフの応酬で、良いですねぇ。

○ さびしがりやの王子
時系列としては「開幕のベルを鳴らして」直後のお話で、キースとカリナが出てきます。
あいかわらずキースはいけすかない言動が目につきますが…実はわけがあって、という救いはあり。
とはいえ、半分は本性なんでしょうし(^^;;
ま、カリナに本当の所は握られているようですから、カップルとしてのバランスは取れているのでしょう。
ゲストヒロインのエルも素敵な女の子ですし、彼女がキースを好きになって、その結果は…? というお話自体も面白いのですが、どちらかというと裏で進行しているパメラとイアン、クリスとシャーロックの関係の方が気になってしまいました(笑)。
けっこう早い段階からイアン先生はがんばっているんですねぇ。
意外。
クリスとシャーロックはいつもながらじれったい。
お互いのことを想っているからこそ、なんだかすれ違ってる感じがもう…(悶
「薔薇色」でエルのドレスを引き受けるかどうかを話している時がまさにそれです。
シャーロックはクリスの仕事が増えてなかなか会えないのが残念。
クリスはシャーロックが「かなうはずのない恋をしている」ことを否定しているようで悲しくなってしまう。
(実のところ、シャーロックはクリスに会いたいからこそ、仕事を受けないでいて欲しい、と思っているわけです(^^;;
クリスにそれを言葉に出して伝えればいいのにねぇ、と読者としては思いつつ、ただそれが貴族としてのシャーロックのありようでもあるのだろう、と納得もしつつ。)
それと、最後の一行は好きだなぁ。

「外は寒く、星がまたたいていた。長くて素敵な冬の夜だ。」(P139)

あまりこのシリーズでそういう感覚を持ったことはないのですが(ぇ)、この一行にはシビれました

○ あなたに眠る花の香
短編集のタイトルになっているお話。
主役は「恋のドレス」でもあり、実は「花の香」でもあるのかな、という印象。
というか…だ、だ、騙されました(笑)。
この短編にはちょっとした仕掛けがあって、それがラスト近くになって明らかになるわけですが、見事に引っかかりましたねぇ。
ん、でも、パメラと一緒に墓地に行ったミルトンは本当のところ「どっち」なんだろう? とかまだちょっと不思議さを残しつつ。
ドレスとはまた違った要素でお話が創れそうな「花の香」。
今後ダイアナが本編に再登場したりするんでしょうか…楽しみです。

○ 扉をあけるマリア
書き下ろしで、クリスとパメラの出会いを描いたお話。
本編でもある程度匂わせてはいたものの、実際の所少しばかり生々しいパメラの過去、でありまして(汗)。
あとがきで書いているように、本編でちらっと関係のある話が出てきたためにタイミングとしてはちょうどいいです。
まさに読者としても読みたいお話ではあるんですよね。
読みたかったし、読み応えもあったけれど、少々シビアではあるので読むときはご覚悟を(苦笑)。
もちろん今のパメラとクリスがあるのですから、上手くいくのだろうとは分かっていつつも、最後の最後までドキドキしました。
この後さらに、店を二人で開いてなんとか軌道に乗せるまでがんばって、シャーロックと出会う前にそれまで2年、ですか。
その2年の内のどこかをのぞいてみたい気もします。

以前の記事へのリンク
 → 「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと運命の輪」の感想
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