ネタバレありますので注意。

>「マリア様がみてる ハローグッバイ」(今野緒雪、集英社コバルト文庫)
とうとうこの日が来ました。
祥子・令の卒業式。
私が読み始めたのは「真夏の1ページ」辺りからですが、それからでさえ、さらに半分以上の冊数が出ているという長期シリーズですね。
花寺編の「お釈迦様もみてる」も含めると36冊!
あとがきで今野先生も書かれてましたが、さすがに長い。

結論から言ってしまうと、「祐巳・祥子編」はこの巻で終幕。
ただし、別の形ではまだ続けるおつもりはあるようです。
今度は瞳子・乃梨子世代が主役ということになるんでしょうか。
とはいえ、ひとまずはゆっくり休んでもらうということでしょう。
ちょっと間があくことにはなりそうです。

フィナーレは実のところ、ごくあっさりめでした。
前の巻で祐巳・祥子に関しては大泣きしながらの(二人きりとしての)お別れが済んでいたためか(?)、卒業式後の描写は拍子抜けするほど短かったです。
いきなり大学生の祥子が紅薔薇となった祐巳に話をする場面に飛んで、そのまま終わり、だったので・・・。
もうちょっと余韻を味わっていたかった、というのが正直なところですが、でも、それで良いような気もします。
もう、送り出す準備はできた、という時点でお別れはすんでいたのかもしれない、と。

で、黄薔薇は相変わらず最後まで落ち着かないんだなぁ(^^;;
菜々が由乃の妹になることはほぼ想定内でしたから、それは驚きませんでしたが、ロザリオの授受を卒業式に持ってきますか、と。
う~ん、それって令にとってはうれしいでしょうけど、なんだか由乃がちゃんと令離れできてない、ってことにならないかしら?(苦笑)

落ち着かないといえば、送辞を次期薔薇さま三人(祐巳、由乃、志摩子)でやる、ってのも。
それはさすがにないんじゃ、とは最初思ったものの、そういうことを許容できるところがリリアンらしいのかも、という感じもあります。

瞳子がようやく祐巳の妹になって、菜々が駆け込みで由乃の妹になって。
だから、ということだけでなく(むしろ、それは比重としては小さい)、祐巳が祥子を送り出す準備ができた、ということが大事なのでしょう。
ここ数巻は、(瞳子の妹問題も含めて)、結局のところ、そこに帰結すると思います。
どうやって、祐巳がしっかりと立っていけるのか。
祥子がいなくなる中でやっていけるのか。
それができる、という確信が持てた時点で、今日のこの日、卒業式に何が起こっても大丈夫だった(蜂が出てきましたが((笑))。
卒業して後もきっとしっかり歩いていける。
だから、このあっさりとした幕切れでも、物足りなさはあるけれど、心配な気持ちはないのです。

それに、これは”ひとつの終わり”ではあるけれど、日々はこれからも続いていくのだし、祥子も同じ場所にはいなくなるけれど、そのつながりは決してなくなりはしない。
卒業式の間中、黒いリボンをお守り代わりに祐巳に預けていた祥子、本当はなくても大丈夫だったはず。
祐巳の周りにはこれからも由乃や志摩子や乃梨子や瞳子がいます。
卒業という区切りがまたあと1年したらやってきて、きっとそうなっても祐巳たちのつながりは消えない。
いや、高校生でなくなれば、今までとは違う距離感があるでしょうけど、それでもなお、彼女たちならば大丈夫じゃないかな、とそう思えます。
それに、そういった親友たちだけでなく、いろんな生徒たちがいるリリアン女学園、という世界で祐巳は居場所というか立ち位置を見つけたんじゃないかな、と思います。
最後の場面で、名前も知らない一般の生徒から「ごきげんよう、紅薔薇さま」と話しかけられる、というシーンがたぶん、その象徴じゃないかな。

ともあれ、おつかれさまでした。
今野緒雪先生とひびき玲音先生。
祐巳をはじめとするキャラクターたちにも(笑)。
この作品を好きで良かった。
全てをこめて「ごきげんよう」。

09/01/01 3:28追記
ちょっと蛇足ではありますが、どこを抜粋して引用しようかと…。
あっさりしているようで、深読みすればいくらでもできそうで、候補に迷います。
あえてこれで。

手の平から離れる瞬間、残っていたほうの端を、祐巳が親指と人差し指で押さえた。そうして、二人は悪戯っぽくリボンを引っ張りっこする。
 一回、二回、三回。
 そうして、祐巳から手を放した。二人はほほえむ。言葉なんてなくても、ちゃんと言いたいことが伝わっている。

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