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「シャーロックがいるだけでいいと思った。
シャーロックもまた、そう思っていることを祈った。」

>「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと秘密の鏡」(青木祐子、集英社コバルト文庫)
だんだん話が重たくなってきているのと、いろんな謎が錯綜してきて分かりにくかったのが読むのが遅れた理由かなぁ…まあ、どっちにしろ言い訳ですけど(^^;;

このシリーズは
 メインの二人、クリスとシャーロックを初めとした恋物語の部分

 闇のドレスにまつわるミステリ・サスペンス部分
の2つが柱だと思ってます。
今回で後者の謎はだいぶ明らかになってますね。
もちょっと後になるかと思ってたクリスの母とクリスの対面!
 ミセス・コルベール=クリスの母=ママ
であることは確定しました。
ただ、ミセス・コルベール=リンダ・パレス、とは書いてないんですよね。
わざわざ書く必要はないと判断したのか、あるいはまだそこらへんに隠されているものがあるのか、悩みますね。
勘ぐりすぎでしょうか。

まだよくわからないのは闇のドレスが結局何なのか、ってこと。
ミセス・コルベールが闇のドレスを作るのでなければ、「夜想」自体が闇のドレスとは直接結び付けられないわけで。
あるいはミセス・コルベール=「夜想」というのも疑った方がいいのかも。
コーネリアが接触した男性(”ニードル”と呼ばれていた男性かどうかは不明?)、それからユベールが今後のキーマン?
ユベールはここまでのシリーズで見ている限り根っからの悪人ではないという印象なんですが、どうも今回は意図が見えませんでしたね。
何が彼を動かしているのか…。
…知恵熱出そうです(笑)。

細かいことながら気になったので書いておくと、P216~217でアップルの質問

「闇のドレスじゃないでしょ? クリス。だって、おねえさまが――あたしに、闇のドレスを着せる理由がないものね?」

にクリスが答えて

「いいえ。アップルさま。わたしの思い違いでした。」

と答えます。
これって、英語の「No」を直訳した答え方、っぽい?(^^;;
闇のドレスじゃない、という意味で日本語的に答えると、ここは「はい」なんですけど…。

シリーズタイトルにありながら、毎度クリスが強調している点、自分のつくるドレスは「恋のドレス」じゃない、っていう点。
たしかにそのままイコールじゃないのだけど、クリスのつくるドレスには力がある。
その人を輝かせること。
着た人の想いをあらわにすること。
その一方で、やはり人の想いがあってこそのドレスで、ドレスだけで何かが劇的に変わるわけじゃない、というのも事実。
今回はドレスの力と人の想い、両面が強調された話だったかな~、と思います。

クリスのドレスを着たコーネリア、ミセス・コルベールのドレスを着たアップル。
姉妹それぞれがお互いを想いあっている。
事情があるだけに、直接「好き」という言葉は告げられないのだけど。
ドレスを着たことが全てではないとしても、アップルは自分の正直な想いをコーネリアに話すことができた。
その後押し。

コーネリアは闇のドレス(と思っていたもの)をアップルに着せてしまったことに罪悪感を感じつつも、どうしてもアップルを憎むことはできなくて、森の奥に1人逃げ出した。
(後ろ向きではあるけれど、アップルを自分の意志に反して攻撃できない以上、逃げ出すことでアップルを守るしかなかった)
それがドレスの力と言いきってしまうとまたちょっと違ってるかもしれない、と弱気になってしまいますが(ぉ

その上で、繰り返しになりますが、コーネリアとアップルがお互いを想い合っているからこそ最終的に事態は丸く収まることになった筈です。
二人を囲む人たちが助けになっていますしね。
アップルの親友であるフリル。
コーネリアを一度は諦めつつ、思い返して助け出したビアード。

パメラとビアード。
この二人の会話は面白かったなぁ。
パメラは意図してそうしたわけじゃなくても、結果的にビアードがコーネリアを助けに行ったのは何割かは間違いなくパメラのおかげでしょう(笑)。

…にしても、コーネリアの母、ドロシアが痛ましかったですね。
悪い人、というよりは正直どうしようもなく弱い人、だと思います。
夫の関心がまったく自分に向いていないことを心の奥では気づいていながら、やっぱり諦め切れてない。
アップルの母、ラヴィニアがいなければ!
ラヴィニアが亡くなって、今度は、アップルがいなければ!
そう願ってしまうのは人として女として妻としてなんら不自然ではない気持ちです。
行動そのものは読者としては許せませんけどね(^^;;
コーネリアも同様に心中で思っていることながら、コーネリアやドロシアが何も考えていないわけではないのです。
端的に言って、モアティエ公爵は鈍すぎだと思います<ぶっちゃけたよ・・・
いや、ま、わかってて、放っているのかもしれませんけど。
彼の事情はわかるし、気持ちもわかるけど、なんか釈然としません(^^;;

ドロシアの気持ちにこたえようとするあまり、本来望んでいないことをしてしまったコーネリア。
このあたりは、母の期待に応えられなくて結局逃げ出したクリスとそのまま重ね合わせての描き方が見事でした(P237~239)。

「愛する人に愛されるためなら、どんなことでもやらなきゃならないんです。それでもやりたくないと思ったら――逃げ出すしかないんです」


ラブコメ部分について。
中盤、シャーロックがクリスを連れ出して、雨の中のデート。
あ~、もうね、表紙の二人以上に距離が近くてドキドキしました。
心中で「シャーリー!」と叫ぶクリスが切なすぎてどうにも(悶
この、想いを言葉で表に出さないところがいつもながらじれったくて、でも、このシリーズらしい
です。
クライマックス(P239)でこの時の二人の会話が少し反映されてます。
(P130~131 空のカップとそばにあるポットの話)

最後の最後。
アディルが明確にクリスを恋のライバルとして認識しましたね(怖
イラストも凄まじく良い。
1枚でここまで表現できるものか、と。
シャーロック、あの場ではっきりと言葉を出してクリスを守ったのはすばらしい。
貴族としての立場からしたら、たぶん相当常識外なことでしょうから。
彼の覚悟を見ました。
管理人のみが読めるようにする

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